「俺たちは、この結婚を阻止するためにやってきた」
ただの参列者に見えていた若い男が言う。
「そして、藤沢霧子。その首にかけているネックレスを、こちらに渡せ」
言われて、慌ててブーケを投げ捨てる。
どんな値打ちがあるか知らないけど、これを渡さなければ、ここにいる人たちが無事に帰れるかわからない。
震える手を首に回し、留め金を外そうとするけど、手袋のせいかうまくいかない。
その間にも父のSPが動こうとしたけど、テロリストたちに銃口を向けられてそれもかなわなかった。
「ダメだ、霧子。それを渡しては──」
父が手をつかんで止めようとすると。
「邪魔だ!」
テロリストが、父にピストルを向ける。
その瞬間、篤志さんが動いた。
──パアン!
チャペルに銃声が響き、悲鳴が上がる。
「お父さん!」
なんと、父は篤志さんに庇われ、床に伏せたおかげで無傷だった。



