一週間後。
予定より何か月も早く、篤志さんとの結婚式が催されることに決まった今日。
私は真っ白なウエディングドレスを着て、花嫁の控室で公開処刑のときを待っていた。
ドレスもベールも勝手に用意されたもので、自分の好きなものはひとつもない。
普通のひとの結婚式みたいに、この姿を見て声をかけてくれる人もいない。
ただ父だけは少し顔を見せて、泣きそうな表情をして、すぐに退散してしまった。
「あらっ、新婦さんの首飾りが間違っているわよ!」
様子を見に来た式場スタッフが、他のスタッフを呼ぼうとする。
「あ、大丈夫です。母の形見なので、これをつけていたいんです」
髪を短く切った中年の女性スタッフは、怪訝な表情で私の首元を見た。
母のネックレスだけ古くて安っぽくて、浮いて見えるんだろう。
「良いんですか? こちらのレンタル代を頂戴していますが」
スタッフはぎらぎら輝く宝石でできた、重たそうな豪華な首飾りの箱を開けて私に見せる。



