どうして? どうしてなの。 私は、綺麗な服を着た裕福なお姫様になりたかったんじゃない。 ただ、好きな人の隣で笑って毎日を過ごしたかっただけだったの。 なのにどうして、たったそれだけのことが叶わないの……? 私は悠の名を、泣きながら叫んだ。 喉から血が出るくらい、思い切り叫んだ。 ねえ、悠。 私はラプンツェルになんかなりたくなかった。 あなたを幸せにする存在になれれば、それで良かったんだ。