「どうし……」
悠の背中から顔を出して前方をのぞき、声を失った。
そこには、今角から出てきたのであろう人物が二人。
それは、新城さんと矢作さんだった。
「なんつうことをやらかしてくれたんだよ、お前らは」
新城さんが厳しい目でこちらを見つめる。
「悪いことは言わねえ。早く帰って、総理に謝れ」
矢作さんは、悠に同情的な視線を送った。
「見逃してよ、先輩方。ほら、昔から言うじゃない。人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて地獄行きって……」
何かを誤魔化すように笑いながら、悠は数歩後ずさる。
そして、くるりと後ろを向いて逃走しようとした途端、またもや足が止まった。
「高浜さん……」
なてことだ。前後をSPたちに挟まれてしまった。
高浜さんは眉間にシワを寄せ、こちらを向いている。
「帰るんだ、二人とも」
家出をした子供を諭すような、低くて優しい声が響く。



