強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】



突然の爆発音は校舎じゅうに響いていたらしく、不安な顔の生徒たちは一旦校庭に集まり、一斉下校することに。

消防や警察が到着すると、職員室の周りは黄色いテープが張られ、立入禁止となった。


「ええ、職員室の裏口が爆破されたようです。詳しいことは調査中ですので、なにかわかり次第、保護者会を開きます」

「新聞社? 質問は警察にしてくれませんか。こちらは生徒への対応で精一杯なんです」


数名の職員は学校に残り、じゃんじゃん鳴る電話の対応に追われる。

職員室は使えないので、隣の進路指導室で子機を使っていた。


「はい、はい。明日以降の授業については、夜に連絡網を回しますので。よろしくお願いいたします」


終話ボタンを押した後、息をつく暇もなく次の電話がかかってくる。

それがひと段落したのは、すっかり暗くなった夜八時頃だった。


「藤沢先生、どういうことですか?」


他の職員を帰らせた後、校長先生が私にたずねる。

その顔には、少しの非難の色が浮かんでいた。

どういうことって言われても、私にも何が何だかわからない。

ちらと横にいる大西さんを見ると、助け舟を出してくれた。