まず、一番近くにいた右の敵に銃口を突き付けたと思うと、いきなり発砲。
「うわああっ」
低い悲鳴と共に、銃がアスファルトに落ちて転がる音が闇夜に響く。
その中でひとすじ、悠の眼光が線を描いた。
素早く相手に近づいたと思うと、腕を長く伸ばし、首根を乱暴に持つ。
そのまま、悠は相手の額に自分の額を打ちつけた。
衝撃を受けて倒れる相手を地面に放り、背後から迫ってきた敵を振り向きざまに回し蹴りを食らわせる。
吹っ飛んだ敵の後ろには、まだ四人の敵がいた。しかし悠の迫力に怯んだのか、彼らは固まったまま、なかなか動かない。
すると悠は、ふらりと立ち上がった回し蹴りを食らわせた男に近づく。
何をするのかと思えば、乱暴にその髪の毛をわしづかみにし、膝をその腹部にめり込ませた。
たまらず胃の中のものを吐き出してしまう敵を、彼は横から蹴り飛ばした。



