強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】



なんだか、不思議な空気を持った人だなあ。

悠が動物の気持ちを感じるように、桜さんは私自身も気づいていないような私の気持ちを感じ取っているのかも。

その後十分ほど、私と桜さんはお互いの身の上話をした。


「入るよ」


そう言いながら、ドアが開いて悠が顔を出す。


「ごめん、霧子。ちょっと桜に話があるから、車で高浜さんと待っててくれないかな」

「え? あ、うん。わかった」


紹介したいって言うから、もっと三人で話をするのかなと思っていたのに。

結局、桜さんと少し話をしただけで終わっちゃった。


「お邪魔しました」

「いえいえ、なんのおかまいもできませんで」


軽い挨拶をかわし、アパートの外に出ると、ドアのそばで高浜さんが待っていた。

きっと、悠が連絡をしておいたんだろう。

べつに、アパートの階段くらい、ひとりきりでも降りられるのに。それだけでも、一応警戒するのがSPってものなのか。