若い。たぶん同い年か、年下……。絶対お母さんじゃない。
自分より明らかに可愛いその人を見て軽くショックを受けて呆然としていると、相手が笑顔で口を開いた。
「おかえり、兄貴。久しぶり」
え……今、何て?
「紹介するよ。妹の、桜」
「い、妹?」
うそ。いや、よく見ると似てる。
悠が女装したら、こうなるに違いない。
大きな瞳に、少し厚い唇、高い鼻。へたな芸能人より可愛い。
「悠の妹の桜です。えっと……」
「霧子だよ。俺のマルタイ」
がくっ。せめて友達とか……。『俺のマルタイ』って、ちっとも嬉しくない。
「初めまして。どうぞ上がってください」
桜さんは私を手招きし、悠は私の背中を押し、玄関のドアを閉めた。
まさか、同居人が妹だったなんて。
そう言えば、小さいときに妹と一緒に公園に行ったとか言ってたっけ。
そうか、二人きりの家族だものね。大人になって一緒に住んでたって、全然おかしくない。



