おお……命を狙われているのに、そんなに人の多いところに行くなんて……どんなマルタイとSPなの。大胆だな。
是非詳しいことを聞きたいけど、それは移動中の車の中にしよう。
「じゃあ、どこに寄るの?」
「まず、霧子の部屋に帰って、服を着替える」
別に、もう篤志さんの前で着飾る気もないんだけど……。
でも、高い店で変な格好をしていて恥をかくのは私だしな。
うなずくと、悠はその先を続ける。
「そのあと、俺の部屋に寄りたいんだ」
「えっ」
悠の部屋……。
ベランダが植物園状態という噂の。
「何か必要なものをとりにいくの?」
「うん、それもそうだけど、霧子に紹介したい人がいる」
どきり。心臓が跳ねて、そして止まりそうになった。
ハーブの香りが漂う、ナチュラルで落ち着いた部屋に、妖精みたいな綺麗な女の子が座っている情景が、勝手に脳裏に浮かんだから。



