「俺の周りはイケメンが多いって言ってたけどさ」
うん、言った。事実だし。それがどうした。
「俺は? 俺は、イケメンじゃないの?」
は? 思わず見上げると、悠はじっとこちらを見つめていた。
小鹿みたいに長いまつ毛に縁どられた大きな瞳に吸い込まれそうになる。
少し怖くなって後ずさった瞬間、背中に硬い壁の感触が。
「自分の容姿に自信があるから聞くんでしょ?」
「違うよ。霧子の口から聞きたいんだ」
「何を……」
「俺のこと、どう思ってる?」
どうって──。
何かを話さなきゃと思った瞬間、ふと悠の顔が近づいてきた。
そのまぶたが、ゆっくりと閉じていく。
まさか、これ……。
──ブーッ、ブーッ
無遠慮なスマホのバイブ音が、部屋中に響く。
部屋の反対側にあるドレッサーの上に置いてあった私のスマホが、着信を知らせていた。
「……出なよ」
「あ……うん」
解放された私は、逃げるように小走りし、スマホをつかむ。



