「ふうん……言わないつもり」
鼻を鳴らした悠は、片手をスーツの中に入れる。
ちらりと見えたホルスターから、拳銃が抜きとられるのが見えた。
「ちょ、悠……」
まさか、と思っているうちに、悠は敵の胸ぐらをつかんでいた手を離し、銃のスライドを引いた。
「痛い思いをしなきゃわからないかな?」
そう言い、銃口を敵の額に押し付ける。
完全に恐怖で動けなくなったような敵が、がたがたと震えだす。
「ま、待って」
「言わなきゃ、足から穴開けるよ」
「ダメだってば! やめて!」
そんな拷問みたいなこと、SPがしていいわけがない。
でも、下手に飛びついて、うっかり弾丸が放たれてしまっては大変。
私は大声を張り上げ、悠を止めようとする。
しかし彼は、銃口を敵の足元に下ろし、容赦なく引き金に指をかけようとした。その瞬間。
「大西、やめろ!」
低くなった悠の声よりさらに低い声が、庭じゅうにびりびりと響いた。
このバリトンボイスは……やっぱり高浜さん!



