「させないよ?」
そう言うと、悠は左手で一人の首根をつかみ、右腕を思い切り引く。
右側の敵がよろける。と同時、悠は左手で敵の首を掴んだままぐるりと回転し、その長い足をよろけた腹にめりこませた。
右側の敵が倒れるのを待たず、悠は左手を離す。けれどもちろん、逃がすつもりはない。
ぐいと敵の腕を思い切り引く。苦痛を浮かべた敵は、悠と向き合う形になる。
すると悠は、上がった口角をますます引き上げた。
「悪い子には、おしおき」
相手を引き寄せてそう囁いた刹那、握られた拳が敵の腹にめり込んだ。
ばき、と嫌な音をさせ、敵の体は五メートルほど先に吹っ飛び、花壇の中に落ち、そのまま動かなくなった。
なんてこと……本当にひとりで征圧しちゃった。
「おい、起きなよ」
悠は飛び蹴りを食らわせた、比較的軽症っぽい敵の胸ぐらをつかむ。
「う、あぁ……」
「お前ら、いったい誰に雇われた。何の理由があって霧子を襲う?」
悠はそう問うけど、敵はぐっと歯を食いしばり、その質問に答えようとはしない。



