ノックをして保健室の扉を開く。 「横田先生がね、お話ししたいんだって」 担任の先生の名前を告げられ、少し困惑する。 「俺が来いって直接言ったら、 クラスのやつが怪しむかと思って」 そう言って、緊急の二者面談が始まった。 場所を進路指導室に変え、他の先生も生徒も利用しない、部屋に入る。 静かな部屋に、私の声と先生の相づちだけが響く。