鳳王冠使市(ほうおうかしし)には呪われた少女が存在していると言われている。
呪われた少女は呪子(じゅみ)さんと呼ばれている。


⑴、呪子さんを見て、「遊びましょ」と言われたら、呪遊び(のあそび)に付き合わされてしまう。
⑵、呪遊びとは、夢と現実の間『死の間』という所で行われる遊びである。
⑶、『死の間』に居続ける=死。
死んでしまった人は呪子さんの一部になる。
呪子さんの一部になった人は次の呪子さんの一部になる人を探す。
呪子さんを見つけ、その人を呪子さんの一部にしたら『死の間』から逃れる。(ただし、死んでいて、肉体は呪子さんの一部なので、現実には戻れず死ぬ。)
⑷、呪子さんは一人で孤独である。
呪子さんは1人を嫌がる。
呪子さんは遊ぶ。



『死の間』の遊び

⑴、「後ろの正面だ〜れ?」っと呪子さんが言う。
⑵、「呪子さんです。」と答える。
※1 呪子さんです。と答えられなければ、呪子さんの一部になる。
⑶、「せ~いかい」と呪子さんは言う。
「あ〜そび〜ましょ〜?」と呪子さんは問う。
⑷、「いいですよ〜」と必ず言わなければいけない。
※2 拒否権は無い。「嫌だ」と答えれば即刻一部へとなる。
⑸、遊びはランダムで決まり、どれも勝たないと死にます。
⑹、負けたら何度も生き返り、気が済むまで生き返らせられます。
※3 この時、痛みは残ります。
⑺、気が済めば一部となります


あなたは死にます
















鳳王冠使市(ほうおうかしし)一、Aランクを持つ者にしか入れない高校『鳳王冠城輝極高校(ほうおうかじょうこうぎょくこうこう)』がある。私は、その生徒の1人の『姫魅塚 麗神(ひみつか れいか)』。運動神経が良いとか勉強出来るとか中学生の時言われていたけれど、自覚がなかったから何も言わなかった。それにお世辞とも思っていたから。
そんな中、私は鳳王冠城輝極を選んだ。そして、見事受かった。テストは少しミスはありながら、最高点数60点や55点などの近くを取った。
高校に進学してから私は変わった。友達とかそういう者を作らず、1人で。でも、相手は友達として見ているみたいだ。


「れいかちゃん。帰ろ?」
「あ、ああ。」
この子がそうだ。この子は『石杖 奏歌』。セミロングの長さで黒髪。いつも明るくて少しドジっ子。でも、そこまで嫌にはなれなかった。高校の中で一番親しいクラスメートだ。
「また、れいかちゃん冷たい。」
「これが、私だ。」
「うふふ」
「どうしたんだ奏歌?」
「いつも過ぎて笑っちゃったんだもん」
「…。」
「えへへ。まあ、帰ろ!」
「ああ。いつもの事だが後ろには気を付k」
「きゃあっ!」
「言わんこっちゃない!」
「イタタタタ」
「ご、ごめん。大丈夫?」
「大丈夫!大丈夫!いつもの事だから!」
「そう、なら、いいよ。」
「お前、2組の『室山 聖司(むろやま せいじ)』か?」
「ん。あ、そうだけども。君は確か『姫魅塚 麗神』だったか。」
「ああ。やはり私は知られているのか。」
「そりゃあ!1年生の中でトップの成績となれば知らない人なんて……。」
「…。」
「聖司…聖司……どこかで聞いたことが…………。」
「奏歌だったね。俺の事覚えてないのか。まあ、いいさ。」
「奏歌とどういう関係だ。」
「…奏歌とは幼馴染みだ。だが、転校して会えないと思っていたがな。」
「聖司君?聖司君なの!?」
「だからそうだって……。」
「いつから室山なの!?永山は!?」
「……再婚。」
「そう……。」
「麗神…俺は失礼するよ。」
と言うと、聖司は教室に引き返して行った。


「永山……。」
「奏歌?」
「永山って聞いたことある?『永山 虹春(ながやま こはる)』って人。」
「ああ。直接天皇と親しいとか……。」
「その子供。でも天皇じゃないよ。隠れた陰謀によって天皇と化した。」
「陰謀?」
「うん。呪子さんってわかる?」
「昔からの噂話だろ?」
「まあ、そうだね。その、呪子さんとの関わりが深いのが永山一族何だって……。でも、もう永山一族は聖司達しか居ないって聞いた。名前を変えたのには訳があるはずなの……。」
「室山一族は、噂が出来る前に根付いた苗字。何かあるのかもな。」
「呪子さんに関係あるって事?」
「まあ。だってそうだろ?噂話が出来てから再び室山一族の名は消えた。そして、今ある。消滅した訳じゃないと考える。そして、永山一族は呪子さんとの関係がある。でも、名は根付かなかった。これを元に考えると、私は室山一族が呪子さんを作って、永山一族がその先を……。つまり噂話と化さした。……室山一族と永山一族は関係が大として、元々は一つの王家なら……。」
「じゃあ、なぜ別れたのかな。別れなくたって、イイじゃん。」
「それは、室山一族が作ったことを隠そうとでもしたんじゃない?永山一族が広めに広めたのなら。そして、室山一族が滅ぼされたとか言わせておけば筋が通ったり……。」
「はぁ。さすが、れいかちゃん。頭の回転早い……。」
「真相を知るにも絶対聖司は教えてはくれない。だと言って幼馴染みで、家を訪ね、問いただしても教えてくれるわけがない。呪子さんにしか頼りがない。だが、呪子さんに接触したならば、助かる率は相当少ない。まあ、噂話だからあまり信用していないが。」
「そうだね。まあ、呪子さんの事件なら多少インターネットで拾えるだろうし、調べない?」
「奏歌が言うなら付き合うよ。どうせ親は夜まで帰って来ないし。」
「じゃあ、決まり!」



「呪子さん事件っと。どれだけ出てくるかな。」
「っ!奏歌……出てこない。画面見てみろ」

検索しましたが出てきません。

「えぇ!?嘘っ。」
「奥深い……違う見方で調べられないか……室山一族からでも。」
「そうだね。」
「私も調べるよ。私は、永山一族について調べるね。」


数分後


「何かあった?」
「全然。れいかちゃんは?」
「さっき話ししたくらいしか載っていない。しかも編集されたのは相当前だ……。」
「そうかぁ。」
さっき話した事とは…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「室山一族は、絶滅した……それになんだ、親か?でも違うなぁ。」
「絶滅……」
「やっぱり消息不明状態にはしていたようだな。」
「一族にしか真相は不明……かぁ。」
「まあ、少しは真相に進むだろうし奏歌、そこまで気を落とすな。私も手伝っている。」
「うん。……聖司も教えてくれたって」
「無関係者には話すなとか色々口封じされてる可能性もある。話してくれるのはまだ先だな……。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「はぁ。」
「奏歌……。今日はもう切り上げよう。夕方だしこれ以上調べてもあまり効果は出ないだろうし。」
「そうだねぇ……。んじゃあ帰りますかっ!」
「いつもの奏歌に戻った」
「そ、そう?」
「ああ。」

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遠くから視線を送っていたのは聖司だった。
「永山一族だって室山一族だって消える。俺が消えれば……。呪子……は。再婚とか言ったけど祖母の苗字……俺が産まれて永山と室山は一つになった……。」
サッサッサッっと草原を歩く足音が彼の背後から聞こえた。
「一つになっても他の生き残りは?」
夕日の影で女だとわかる。
「生き残りなんていんの?てか、永山一族と室山一族は一人っ子しか産まれなかった。なら俺しか居ないはずだ。」
「……そう。」
声は幼く。……彼には誰だか分かっていた。
「俺は真実を聴かされてから変わった。それからすぐあと両親は他界。叔母しか居ないんだ。高校生になったんだし一人暮らしくらい出来るのに……。」
「聖司君……ワタシのところコナイ?」
「行く訳ないだろ。」
「なんで……ナンデナンデナンデ!?」
「暗闇で、人が殺されていく世界など行くか……。」
「ワタシ、ヒトリ、寂しい。聖司君ニ来テホシイ。」
「知るか。俺が死んで、あのババアも死ねば永山も室山も終わる。」
「コロサセナイ。ワタシヒトリ嫌ダ。聖司君ガ頼リ。」
「……呪子。昔の奴等は意味が分からん。どうしてどんな理由で呪子を生んで変な世界に閉じ込めて見張った……。」
「ワタシ寂シイ。ダカラ人呼ンデ遊ブ。」
「俺はお前と居たくない。妹と同じ顔した呪子と共には。」
「ワタシ。ワタシ。ワタシ。」
「明子(あかね)……。一人っ子にさせる為の。」
「お兄ちゃん」
「明子!?……っ!」
「お兄ちゃん?行こうよ?お兄ちゃん?」
「呪子やめろ……。」
「……ワタシのところ来テ。」
「断る。……呪子…………明子。」
「ワカッタヨ。フフフッ」
「!!」
「アハハハ!お兄ちゃんっ!」
「やめろ!」
聖司の真下には黒い空間が渦を巻き襲ってきていた。空間から謎の手が現れ体を取り囲む。
「やめろっ!やめろっ!」
「アハハハ!お兄ちゃんとずぅーっと一緒。」
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「奏歌待ってて。」
「れいかちゃん?」
「いいから!」
「わ、わかった……。」
急に怒鳴られ私には理解が出来なかった。れいかちゃんは公園の周りを囲む木の所に走って向かった。
「何も無いところにどうしたんだろう?」
私は疑問でしかなかった。
私はれいかちゃんと一緒に行きたかった……でも、来るなって言われたから待つことにした。