放課後。


私は葉山くんを空き教室へと、呼び出した。


学習室のような部屋で、人が入ってくるような場所じゃない。


だから、私はこの空き教室を選んだ。


「話って何?」


ガラガラと言うドアの開く音が聞こえたかと思うと、気怠そうに、ドアの前に立つ葉山くんが目に入った。


「葉山くん…」


そんな様子だけでも、悲しくて苦しくて、いろんな想いから涙がこみ上げてくる。