夜、私は図書館で本を読んでいた。
というか、子供達に囲まれていた。
「リューラ!ご本読んで!!」
「前のやつ!『竜と幻の秘境』!!」
「いや」
さっきから断っているが、頑固に頼んでくる。
「じゃあ、今読んでるやつでいいから!」
「これ、子供向けじゃない」
「いいじゃんか!えっと、理不尽な何とか!」
「違うよ!『理不尽な世の中』だよ!」
「そう!それ!」
さっきからごちゃごちゃと騒ぐおかげで、本のページがなかなか進まない。
もうすぐ読み終わるんだけど。
『俺は、この世界を変える。
変えてみせる、絶対に。
俺がこの世界の先導者となって、誰もが笑って暮らせるような世界を作ってみせる。
俺はそのためなら何でもする。
そして』
「リューラ」
私が途中まで読むと、リオウの声と共に本が取り上げられた。
「リオウ、返して」
「駄目だ。司教様の部屋に行くぞ」
あ、そうだった。
確か呼ばれてるんだっけ、私。
「ん、わかった」
「じゃあ行くぞ」
リオウは本を自分の脇に挟んだ。
あ、司教様と話をしてるとき読もうと思ったのに。
「はいはーい、皆!もう寝る時間ですよ!」
ラルさんがそう言うと同時に、教会の鐘が鳴り響いた。
私とリオウは、ラルさんと入れ替わるように図書館を後にした。
*********************
というか、子供達に囲まれていた。
「リューラ!ご本読んで!!」
「前のやつ!『竜と幻の秘境』!!」
「いや」
さっきから断っているが、頑固に頼んでくる。
「じゃあ、今読んでるやつでいいから!」
「これ、子供向けじゃない」
「いいじゃんか!えっと、理不尽な何とか!」
「違うよ!『理不尽な世の中』だよ!」
「そう!それ!」
さっきからごちゃごちゃと騒ぐおかげで、本のページがなかなか進まない。
もうすぐ読み終わるんだけど。
『俺は、この世界を変える。
変えてみせる、絶対に。
俺がこの世界の先導者となって、誰もが笑って暮らせるような世界を作ってみせる。
俺はそのためなら何でもする。
そして』
「リューラ」
私が途中まで読むと、リオウの声と共に本が取り上げられた。
「リオウ、返して」
「駄目だ。司教様の部屋に行くぞ」
あ、そうだった。
確か呼ばれてるんだっけ、私。
「ん、わかった」
「じゃあ行くぞ」
リオウは本を自分の脇に挟んだ。
あ、司教様と話をしてるとき読もうと思ったのに。
「はいはーい、皆!もう寝る時間ですよ!」
ラルさんがそう言うと同時に、教会の鐘が鳴り響いた。
私とリオウは、ラルさんと入れ替わるように図書館を後にした。
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