全身から鳥肌が立った。 甘い香りと、リアルな唇の感触を首筋に受けて、 くすぐったさと、不意を突かれた行動を受けて、 私はもう、どうして良いのか分からなくなった。 「え、ええっ!?」 真っ赤に紅潮した顔を、 背中から抱き付いてきたこの人に向けた時、 至近距離に美しい顔があった。 童顔で、可愛らしく、甘えるような顔。 今までのどんなアイドルにも追随を許さない 絶対的な美しさ。 彼は悪戯っぽく目を閉じて、 「ねえ、キスしてよ。」 と、私に言った。