私は祈った。 誰のためでもない。 自分自身の為に。 親友の裏切りと、 過去のトラウマを植え付けた初恋の男を、 全てを忘れられるような恋がしたいと。 身の丈なんて、構わない。 世界中の男や女が、悔しくてのたうち回るような、最高の彼氏が欲しい。 その為なら私は何でもする。 だから神様。 私の願いを叶えて下さい。 手を組み、まぶたを閉じ、 頬を流れる涙が渇くまで、 私は祈りを止めなかった。 −貴女の祈りを聞き届けましょう− 不意に声が聞こえた。