「5歳差なんてあんまり変わんないよ。」

もう私、必死だ。

「んー、でも30代と20代ってやっぱり違えよ?お前は充分若いよ。」

「柏木さん、全然おじさんなんかじゃないよ。充分格好いいよ!」

勢いに任せてとんでもないことを口走ってしまった気がする。

柏木さんは目を丸くして固まってしまった。

でも、すぐにいつもの穏やかな笑みを浮かべ、私の頭を優しく撫でた。

本日2回目である。

「ありがとう。嬉しいよ。」

もう何も言葉が出てこなかった私はその後の帰路、ずっと顔を赤くして俯いていた。