「白石。」 「な、なに?」 改まって私の名前を呼ぶ柏木さんと向かい合うと、柏木さんは私をその大きな腕で包み込み、耳元で囁いた。 「これから、俺の隣でいつも笑っていてくれ。」 プロポーズのようなその言葉は、前に聞き覚えがあった。 柏木さんが彼女に求めることだ。 私は、あなたの彼女と思っていいですか? 答えは多分、この腕の温もり。