いい人に恋してます。

「うーん。そうかな。」

納得いかない様子の優子を横目に、鍋に野菜を足す。

「柏木さんってさ、誰に対しても優しいし、困ったらどんな時でも助けてくれるからつい勘違いして惚れそうになるけど、これ以上踏み込めない一線を持ってるんだよね。」

そうなんだよね。全然踏み込ませて貰えない。

「でも、文乃は線の向こう側にいる気がするよ。」

そんなことない。今日だってきっちり線を引かれたばかりだ。