腰のあたりからいくつもの鍵がついた輪っかを取り出し躊躇なく一つの鍵を取り出して門の鍵穴ヘとさした。
門を開いた時外の日差しが中に入ってきた
「ゔ…!」
さっきまでの暗がりとは違く、外の光は今の私には毒だった。眩しすぎる日差しは私を照らし、風は少しヒンヤリとしていた。
冬物のセーラー服を着ていて上半身は大丈夫だけど、靴下も履いていない足は痛みと寒さで震えていた。
外に出るとそこは歪な木々が風にザワザワと揺れている森?みたいな所に私はいた。
彼が向かう方向へと私も足を進めた。森の木々は無くなっていき、草も生えていない
岩だらけの崖へと来た。
彼が止まり、崖の下を伺っていた私も顔を覗かせると幾つもの針があった。
大小様々な形で、山のように盛り上がっていた針山は刺々しく血のようなものが付着していた。
ゴクリと息を飲んだ。恐ろしいのに体が固まっている。
「ここで待っておれ、そろそろ官僚殿たちが死刑執行を言い渡すだろう。」
えっ・・・?
しけい?
彼からの一言を聞いて私は息が止まりそうだった。
鼓動が早くなるのを感じた。額からは流れ出す汗が止まらない。目は見開いたまま瞬き1つできない。
目の前の光景だって、歪んで見える。足の力は抜けて腰を下ろしてしまった。
「おい!何をしている!立て。」
耳までおかしくなったみたい。彼の言っていることが聞こえてこない。いや、ちゃんと耳には入っているが、脳へと伝わらない。
今、私の脳を占めているのは死刑の事。
そして、どうしてこんな事になったかを思い出していた。いや、過去の記憶がすべて蘇ったように。
まるで、走馬灯みたい・・・
