「きゃあ…!?」

脇のあたりを捕まれ、強く引き寄せられた。

「早く、立たんか!」
傷だらけの足に力を入れたが、フラフラと不安定。

体重がかかって足の痛みが増す。しかし、彼は私の痛みを気にしない、どうでも良い事だと思っているだろう。淡々と歩き続ける。

牢から出ると、さっきまでは見えていなかった他の牢もいくつかあった。少し牢の中を見ると、白骨化した人間とは違う形の骨が転がっていた。

「ッ…!?」

こんな、ものを見たら自ずと自分が向かおうとする所を想像してしまう。

私も、あの骨のようになってしまうの…?

そんな、私の不安を感じているなか彼は力強く私をある所へと連れていく。

さっきの扉の前に立ち彼は松明を扉の近くの蝋燭へと移して、手の鎖を持ち目の前の何段もある階段を上がる。

いくつの階段を登ったのだか、傷らだけの足には力がなくなってくる。彼の松明を頼りに階段を登っているから自分の足元も見えるか見えないかぐらいで何度もつまづいてしまった。


膝をつく度に、まるで犬を連れているように無理矢理に引っ張って立たすようにする。

しかし、その階段の繰り返しは終わりやっと一つの大きな門の前へと着いた。