嵐くんが出ていったカーテンの向こう側から聞こえてくる女の人の声。


誰だかわからない。


でもどこかで聞いたことがあるような…。


シャッという音とともに現れるその姿。


「どうも、西野璃乃ちゃんっ」


「…どちらさまですっけ」


全く見覚えのない人だった。


「ひどい!副会長、桜木サラサだよ!」


あ、始業式出なかったからかな、知らなかった。


そういえば去年は書記かなにかやってたような。


「てゆっか、璃乃ちゃん、あたしと同い年なのに~!覚えてねちゃんと!」


ぴっ、と人差し指を私に向けてくる。


それよりも……


「すごい声……だね」


サラサちゃん、すごいアニメ声っていうのかな、可愛い声してる。

だからなんとなく聞き覚えあったのかな。


「えへへ、よく言われる」


あと仕草とかすごい可愛いし、女の子って感じだなぁ……。


まじまじと見つめていると、サラサちゃんが照れたような顔をする。


「やだやだ、見つめないでよもう!」


「おぉ……」


女子って感じだ……。


「あっ!あたし仕事いかなきゃ!ばいばーい!」


「えっ、さよなら~?」


ぴゅん、と風のように去っていく。


というか、私に何の用だったんだろ?