あたしと晃の顔を交互に見る井上さん。


「“奈々”でいいよ!」

「…じゃあ、奈々でっ。私のことも“優花”って呼んで!」

「優花ね!オッケー!」



これが、優花との出会いだった。


親の急な転勤で、この時期に転校してきた優花。


入学して1ヶ月。

クラスのコは友達も増えて、グループができてきたというところへ、新しく入るのは不安があったと優花は漏らした。