「綾音ちゃんっ……」



実里ちゃんが、おどおどした声であたしを見上げた。



な、な、な……。



殴られた……。



頬に手を当てて、立ちつくす。



「ちょっと!
あんたっ!」



なっちゃんが、文句を言おうと詰め寄った。



でも、その前に……。



あたしにビンタした女の子は、友達と一緒に走り去っていった。