「お~い、大神よ」

「ん?なんだ、熊野。お前も早く起きたらどうだ。出社する気はあるのか」

 不肖の同期、熊野は俺の説教を無視し、しみじみ言った。

「いや、いつも思うんだけど、お前って会社から離れたら、意外にお茶目な奴だな~って」

 …お茶目、は古い。

「何を言い出す。俺はいつもの如く身だしなみを…」

 熊野はコタツから半身を乗り出し、可笑しげに笑んだ。

「気付いてねえの?さっきから鏡みてよ、百面相したり、ガッツポーズしたり…。会社の奴に見せてやりたいよ」

 ……。

 ちょっと、ハリキリ過ぎたか。