…2時間が経過する。

「私ね、ああ、今年もまた『クリボッチ』かって…思ってた訳れすよ。…それが!れすよ」

「はっはっは。だろうな」

「おねーさん、ワインのおかわりっ!」

 …熊野、ワリカンだからな。

「社内1の有望株、当社ランキング『抱かれたい男ナンバー3』のオオカミさんに誘われたんですよ?自慢話もしたいじゃないですか、ね?」

「俺は3か…」

「経理課の実花ちゃんにゆったら、何て言ったか分かります?『あんた、何をやらかしたの。』らって。言いましたとも。『ぶっ掛けました。』って!キー、悔ち~!」

「1位は社長、2位は専務ってとこか…おーい赤野?」

「…トーコちゃん…俺は?…ムニャ…」

 …酔っ払いの会話は対話にならない。

「でもね、例えお説教でも…私ね、誘って頂いて、嬉しかったんです。…こっちに出てきて…一人で…皆が楽しそうな時、淋しかったから。…ぐすっ」

 トロリとした目で、グラスを見つめる。

「赤野…」

 健気な奴…。

 今すぐ…押し倒したい!

「赤野、この後…」

 俺が彼女に身を乗り出した時だった。

 ピロリ~~ン♪