「この前は酷いこと言って」
うそ……颯が私に謝っている。
私の無神経な発言のせいなのに。
「ううん。私が悪かったんだから謝らないで」
「でも……」
「じゃあ、私のこと許してくれる?」
緊張で颯の制服の裾をギュッと掴む。
それを感じたのか颯は抱きしめている腕を一層強くした。
「あぁ。もう許してる」
「本当?」
私は再度聞き返す。
「あぁ」
その一言で私の涙腺は崩壊した。
「お、おい。何で泣くんだよ?」
「だって、嬉しい、ヒック……んだもん」
「バーカ」
そう言って颯は指の腹で私の涙を拭う。
見つめ合うと、どちらからともなく笑い合った。
今の私にはそれだけで幸せだった。



