深夜0時、キミと待ち合わせ。

柿崎さんが言いたいことがよく分からず、私は頭の上にハテナマークを増やしていくだけ。

この話は、今日別な場所で聞いたばかり。

真夜中くんと、空き教室で……。

……あ、なんかまた動悸が……。


「でもね、人の声じゃなきゃ起きれないの。で、便利なアプリがあるの。“君のボイスでおはようちゃん”!」


温かかった肩とか、そこに乗る重みとか。

近すぎる息づかいも……。


「紗帆ちゃん聞いてる?」

「えっ?あ、うん……!」


しまった、聞いてなかった。


「これね、人の声を録音して、それをアラームで再生するアプリなんだぁ。タケくんの声にしようと思ってっ。だから、今から入れてもらいにいくんだぁ。毎日タケくんボイスで起きれるの、幸せだなぁ~」


なるほど。これが本題。

スマホを抱きしめてうっとりする柿崎さんは可愛い。

彼のこと、本当に大好きなんだな……。


「じゃ、そういうことで、行ってきまぁーす」


手をひらひら振って部屋を出ていく彼女に、私も小さく振り返した。