「でも、ありがとう……」


お礼を言って、私は自分のかばんに手を伸ばす。

いつも持ち歩いている、ブックカバー。


「あれ、それ俺があげたやつ」

「うん、これ好きなの……」


返された本を、早速ブックカバーに収める。

やっと、使えた。


「ふーん……」

「!」


呟いてからすぐに、真夜中くんは私の肩に頭を乗せた。

久しぶりの重みに緊張して、肩がピクッと跳ねた。