深夜0時、キミと待ち合わせ。

手招きされ、私は何の抵抗もなく真夜中くんの隣の席に座る。

持ってきてしまったかばんは、自分の前に置いた。


「俺さ、柿崎にフラれてきたよ」


嘘つき。

柿崎さんに全部聞いて、本当のこと知ってるんだから。


「でもまぁ、言えてよかったよ。無言ちゃんに言われなかったら、絶対向き合おうとは思えなかったからさ」


私は昨日と同じく真夜中くんの頭に手を伸ばす。

そっと撫でると、相変わらずの猫っ毛に安心した。


「今優しくされると、無言ちゃんのこと好きになっちゃいそうなんだけど」


そんな、いつものような軽口に手がピクッと反応する。

そんな時間もつかの間。


「ごめん、嘘」

「!!」


期待させた後に、胸をえぐる一言。

ショックで表情が固まる。

そんな私を見て、真夜中くんはさらに言葉を続けた。


「すでに……かなり好き」