その日の夜。
私はひとりで部屋の椅子に座っていた。
柿崎さんは、夕飯の後にまた友達の部屋に出かけた。
時刻は、夜10時。
――『レイジは今まで夜に部屋にいたことないけど』
佐伯くんの言葉が、どうしても頭から離れない。
“もしかして”が、捨てられない。
私は立ち上がり、勢いよく部屋の扉を開けた。
「わぁ!?紗帆ちゃん、どこか行くの?」
戻ってきた柿崎さんと鉢合わせして、足が止まる。
だけど。
「……いってきます」
「う?うん、気をつけて……?」
頭上にハテナをいっぱい浮かべた柿崎さんをすり抜けて、私は部屋を出た。



