深夜0時、キミと待ち合わせ。

「うん、してた。音無はさ、真夜中しか見てないから俺のこととか気づかなかっただろうけど」


鈴木くんは、苦笑いをすぐに笑顔に変える。

きっと、私に気負わせないように、わざと明るく振舞って。


「あーあ、いつか目合わないかと思ってても、絶対こっち見ないよな。悔しい」

「あの……」

「ごめん、俺、ちょっと未練がましいわ。諦めるって言ったくせに」

「……」


返し方が分からなくて、私は黙り込んでしまう。


「いや、違う、ごめん、俺多分、ただ音無と話したかっただけ」


鈴木くんは、私の返しを待たずにブンブンと手を振って早口で喋り立てた。

真っ赤な顔で。


私を想ってくれる人。

初めは怖かったけれど、気持ちは素直に嬉しい。

なのに……、それでも違う人のことばかりを考えてしまう。