佐伯くんが4階の廊下から姿を消してからも、私はしばらくそこで呆然と立ち尽くしていた。
我に帰った時には、朝読書の時間の終了を告げるチャイムが鳴っていて、走って教室に飛び込んだ。
扉を開けると同時に教室中の皆に見られて、すごく気まずい。
「ご、ごめんなさい……、私遅刻……ですよね」
「大丈夫?音無さん。昨日まで具合悪かったんでしょ?慌てなくてよかったのに。ホームルーム始めるから、席について」
「はい」
先生に一礼して、注目される中、自分の席まで早歩き。
気づかれないようにと、さり気なく向けた視線の先には、やっぱり目を開いている彼。
真夜中くん、毎晩どこにいるの?



