深夜0時、キミと待ち合わせ。

「タイミングよく、レイジの言葉をののかが聞いてた。だから俺はそれを利用した。傷ついた女の子に優しくして、まんまと彼氏になれた。我ながらやり方きたねーわ」


きっと苦しんでいるはずなのに、佐伯くんはまた「ははっ」と笑う。


「これでも一応罪悪感とかあってさ、だからその代わりにずっと大事にしようと思ってたんだけど……。だめだな、結構ガチで嫌われたかも。てか、本当はずっとレイジのことだけが……」


私は、ぶんぶんと頭を左右に振って否定をする。

それを見て、佐伯くんは「ありがと」と、無理に笑った顔を見せてくれた。


「ほ、本当に、柿崎さんは佐伯くんのことが好きだったと……思います。私、同じ部屋だから……いつも話聞いてて、その……」


今は分からないけど。そんな心の声を飲み込んだ。

佐伯くんは、私のたどたどしい言葉を、ただ笑って聞いていた。