佐伯くんは、壁に背を預けて床に腰を落とした。
私も、少し距離をとって同じ格好をとる。
「本当はさ、ののかはレイジのことが好きだったんだ。で……、レイジも、ののかのことが好きで、俺はそれを邪魔した」
「邪魔?」
「そう、邪魔した。ふたりが両想いなの知ってて、でも俺もののかのことが好きだったから、先手打ったんだ。レイジに、「俺はののかが好きだけど、お前は違うよな」って。最低でしょ」
「そんな……」
最低……なのかな。分からない。そんな顔をするから。
悲しそうに笑う佐伯くんの表情は、私の本心をぼやけさせる。
――『聞いちゃったの。彼が、のののことが好きじゃないって、タケくんに言ったところ』
私は、いつかの柿崎さんの言葉を思い出していた。
私も、少し距離をとって同じ格好をとる。
「本当はさ、ののかはレイジのことが好きだったんだ。で……、レイジも、ののかのことが好きで、俺はそれを邪魔した」
「邪魔?」
「そう、邪魔した。ふたりが両想いなの知ってて、でも俺もののかのことが好きだったから、先手打ったんだ。レイジに、「俺はののかが好きだけど、お前は違うよな」って。最低でしょ」
「そんな……」
最低……なのかな。分からない。そんな顔をするから。
悲しそうに笑う佐伯くんの表情は、私の本心をぼやけさせる。
――『聞いちゃったの。彼が、のののことが好きじゃないって、タケくんに言ったところ』
私は、いつかの柿崎さんの言葉を思い出していた。



