深夜0時、キミと待ち合わせ。

佐伯くんは、壁に背を預けて床に腰を落とした。

私も、少し距離をとって同じ格好をとる。


「本当はさ、ののかはレイジのことが好きだったんだ。で……、レイジも、ののかのことが好きで、俺はそれを邪魔した」

「邪魔?」

「そう、邪魔した。ふたりが両想いなの知ってて、でも俺もののかのことが好きだったから、先手打ったんだ。レイジに、「俺はののかが好きだけど、お前は違うよな」って。最低でしょ」

「そんな……」


最低……なのかな。分からない。そんな顔をするから。

悲しそうに笑う佐伯くんの表情は、私の本心をぼやけさせる。


――『聞いちゃったの。彼が、のののことが好きじゃないって、タケくんに言ったところ』


私は、いつかの柿崎さんの言葉を思い出していた。