深夜0時、キミと待ち合わせ。

「無言さんっていうの?珍しい名前」

「あ、いえ、音無です……」

「そうなんだ。俺、佐伯です」

「は、はい……」


私と佐伯くんが、今さらの自己紹介をし合っていると、真夜中くんはくるりと身を翻(ひるがえ)して、


「部屋で寝る」


寮の中へ戻ろうとしたところを、寸前で佐伯くんが服をつかんで引き止めた。


「ちょ、ちょっと待った!お前が帰ったら、音無さんどうすんだよ。俺らに挟まれんのかわいそうだろ」

「あ、あの、私は……」


そんなに真夜中くんが嫌がるなら、私も帰るし……。

ふたりのデートの邪魔をするつもりもない。