深夜0時、キミと待ち合わせ。

「ねーねー、見たよぉ!お昼、裏庭で男子に肩ズンされちゃってたよね?もぉー、紗帆ちゃんいつの間にー!」


この明るい声は、柿崎さん。

顔は見ていないけれど、毎日聞いているから分かる。

昼休み……。
誰も周りにいないと思っていたけど、どこから見られてたんだろう。
窓際からかな……。


「あれ誰?クラスの男子?顔見えなかったの。残念っ!
あ、ののねぇ、いつもタケくんと帰ってくるんだけど、用事があるからって先行ってろとか言われたの!さんざん待たせてから言うんだよぉ。ひどくない?」


恋は幸せなものだと思っていた。

柿崎さんが、いつもキラキラした顔で彼のことを話すから。


「って、ごめんね。ののばっかりまた喋っちゃってうるさい?一緒に寮まで行こ……」


そこで、明るい声が消えた。

何も答えない私の顔を覗いたから。

涙が、頬を伝って止まらない。


「えっ、えー!?」


柿崎さんの声が、街に響き渡った。