恋愛図書館




《再会の愛冊(あいさつ)に、私の大好きな本を贈ります。


長い、長い、時間から覚めたら…

目の前に愛が見えたよ。


迎えに来てくれて、ありがとう。



ただいま》




いびつな文字で綴られたそれは…

長い昏睡による自由の利かない身体で、
一生懸命記されたものだった。








あの後、俺は…

無我夢中で、結歌にキスした。



愛を注ぐように…

命を、掴まえるように。



それはどれくらいの時間だったのか…
だけど、バイタルは乱れる事なく。

そして。


僅かに感じた反応を、恐る恐る確かめると…



キミの瞳が、ゆっくりと光を映した。




ゆらゆらと眩い水宝が集まって…

弾けたそれが、キミから零れるのを初めて見つけて。


頬に添えてた俺の手に、ストンと繋がったその涙跡は…

愛を繋ぐ道に見えた。







俺はもう…

胸が灼けつくように熱くなって、
燃え尽きて崩壊しそうなくらいで…!


あまりの嬉しすぎるショックに、
俺の方が意識が遠退きそうだった。