「置いてかねぇだろ。なに諦めてんだ?
絶望ってのはなァ、諦めたヤツがする事だ…
希望にビビんな!」
ハッと衝撃が走った俺に…
胸を熱くさせる言葉が続く。
「きっと必死に戦ってる結歌ちゃんは、
もうひと踏ん張りのトコまで来てて…
信じて寄り添い続ける事が、迎えに行ってる道のりになってて…
お前らはまた出会えるって、俺は信じてるよ。
お前だって、信じてるよな?」
「…っ、信じてるよ。
ありがと、巧…」
新婚生活の最中、仕事も忙しいのに…
いつも俺を心配して電話をくれたり、こんな風に病院に駆け付けてくれたり。
そして、希望まで取り戻してくれた。
「それにな?
奇跡なんてそこら辺に溢れてて、いくらでも起きるもんだよ。
例えば。
俺とお前が出会ったのも、お前と結歌ちゃんが出会ったのも、桜菜ちゃんの存在も…
…全部奇跡なんだよ。
俺はさ?
お前の存在があったから、歪まずに頑張って来れたんだ…
…って、照れくせぇ事言わせんなァ!?」
「っ…
バーカ、…こっちのセリフだよ」
それは照れくさいって事だけじゃなく。
俺の方が、今までどれだけ救われて来た事か…
感謝してもしきれないくらいだ。
そんな存在と出会えた事は、正しく奇跡で…
確かに、奇跡なんて起こりうる事なんだと思った。



