「まったく、女は怖いね〜。

あんな良い子で、お前の事を心底大事に想ってるよーに見えたんだけどなっ。

プロの俺らを欺くなんて、相当な女だよ」



今思い返せば…

結歌が泣いたのを見た事がない。


嬉しくても悲しくても、そこまで心を動かされなかったって事だろう。

俺への愛は、薄っぺらいもんだったんだ。


クソ…っ!

胸が痛くて、遣り切れない…



「道哉…
そんな女、お前が心を痛める価値もない。

侮辱の言葉で傷付いてる恋人に、何もしない薄情な女だぞ?
挙句、想いを裏切って…
そんな状況でも謝るどころか、平然と居座るような図太くてデリカシーのない女だぞ?

こーなって良かったんだよ」


「っ…、そうだな……」



願うは1日でも早く…

俺の前から消えてくれ。




そう、俺たちは…


あの日とっくに終わったんだ。