「私達の所為で、すみませんっ…」


作成のきっかけは、広部さん夫妻だそうで。

精神科医のご主人は、寝たきり患者の家族が抱える苦しい現実を目の当たりにして来て…
自分は家族にそんな思いをさせたくないと、作成を思い立ち。

広部さんもその考えに賛同し、作成に至り。


結歌はそんな2人の話を聞いて…

"自分もそうなった時、桜菜や家族に負担を掛けたくない"と。
同じく作成に踏み切ったらしい。


現実問題。
それを支える家族の負担は、計り知れなくて。

金銭的はもちろん、体力的・精神的疲労が重なって、共倒れの危険も伴うらしい。



「…っ、いえ…
結歌が決めた事なので…っ」


とはいえ、そんな選択受け入れられない!


生命維持装置の取りやめ…
それは死を意味してて。

動揺と混乱で埋め尽くされる。




「…ご両親には、主治医の方から説明されてると思いますが…」


その同意が無ければ、結歌の要望は通らない。
と補足がされた。


その時は、どんな決断が下されるのか…