「そうですか?
拒絶の空気が、少し穏やかになったようにも感じますが…

でも、手強いでしょうね。
今まで誰にも納得せずに、世間体を理由に別れさせてたようですし…」


そこでふと過ぎった、昔の会話。

ー「この子ってば、いつもヘンな男ばっか好きになるの!」
「うん、そーだね!ちょっと個性的な人を好きになって来たかな!」ー


「…

結歌は何でそんな、世間体の悪い変な男ばかり…」

自分の事は棚上げで、思わず呟くと。


「世間体が悪い、とゆう訳じゃなくて…
父親と違って、世間体を気にしない人に惹かれてたんだと思います。

世間体に苦しめられて来た彼女は、ありのままの自分で居られる場所を求めてたんでしょうね…」


ー恥をかかすなとか、気遣いが出来てないとか…要は、躾のつもりの虐待ですー

この前の広部さんの言葉が、苦しみを補足する。


思いもよらなかった切ない事由と、
こんな時でも沸き起こる激しい嫉妬で、
胸を荒らされながらも…