「誕生日おめでとう」


付き合って最初の、結歌の誕生日。
プレゼントの箱をテーブルの上に差し出すと…


「うわ、おっき!え、なんだろぉ〜!
ね、開けちゃうよっ!?」

キャッキャとはしゃぎながら、開封を手掛けるキミ。



「ええ〜!!クレープメーカ〜っ!?
うっそ、ホントにっ!?
わ、嬉しい!え、嬉し〜〜っ!
しかもこれっ、本格的じゃん!!

も〜〜ぉ道哉っ、ありがとうっっ!」


賑やかな笑顔で感激する様子に…
俺の胸が撫で下ろされる。


最近クレープ作りに凝ってるキミは、フライパン調理での焼き具合や匂い移りに納得いかないようで。

力量に相応しい、プロ仕様のものを贈る事にしたんだけど…

実際はそこまで求めてなかったかもと、不安だった。



「喜んでくれて良かったよ。

じゃあさ、さっそく焼いてくれる?
中身は俺がイタリアンクレープに仕上げるから」


「焼くっ!!
うわ、なんか楽しみっ!
じゃあスイーツクレープは私が作るねっ?

でわ早坂クン!
まずはクレープカフェのオープン準備を始めますっ」