「ねえ、きみそんなとこで何してるの?その制服、うちの生徒じゃないよね?」


ぎゃっ!!心配してた矢先に〜〜!

無駄にガタイのいい体格に、ドーーンという効果音がとても似合う男の人に声をかけられた。


おそらくこの人制服を着ているから先生ではないだろうけど、私の敵には違いない!

やばい逃げないとっ、強制送還されてしまう!


「いえ、あのごめんなさい!」


私が走りだすと、当然のごとく追いかけてくる。

その表情は最早熊だよ、熊!
あなたは一体何歳だよっ老け顔なの?

なぜ高校生でヒゲが濃いのー?!


「きみは廊下走るなって知らないのかー!」


習いました習いました!

つい最近も言われましたよ!

でもどうせそのセリフ言われるなら、私は五十嵐くん希望でーす!

五十嵐くんに言われるから聞こうと思えるんじゃないですか!


足の速さには自信があったけど、廊下にいる人を避けながら早く走るっているのは流石に難しい。

と思っていると私の腕を掴まれた。


ああ、あっけなく捕まった……私の人生儚い。

っていうかこの人何?一体どちら様で?