「ごめん中村さん。先帰ってくれるかな?今日はありがとう」


手が震えてる。なのになんで、笑うの?

辛くて苦しいって顔にかいてあるのに、どうして無理矢理笑うの?

そんなの嫌だよ。見たくない。


笑わないでよ。こんなときに、そんなに青い顔して笑わないで。


「ごめんほっとけない」


迷惑かもしれない。
ウザいって思われるかもしれない。


でも、こんなに辛そうにしてる五十嵐くんを置いてなんて行けるわけない。


「いや申し訳ないし……もう、美羽のプレゼントも買えたから。大丈夫、俺はその……ちょっと寄るとこあるから、さ」


また、いつもの爽やかな笑顔を浮かべようとする。

嘘つき。そんな苦し紛れの言葉なんて信じる人、いるわけないじゃん。

私はそんなのに騙されてあげるほどお人好しじゃない。


「帰らないよ。五十嵐くんが帰るまで」


だって、私が今


「そばにいたいから」