翌朝ー

目が覚めたのは、徹に起こされてだった。

いつものように準備を整えて、部屋を出た。

慣れすぎた非日常…。

朝食を取りながら私はまたノートを見ている。

最初は食べるか、見るかどちらかにしろと徹に怒られたものだが、

最近はやっと何も言わなくなった。

それを良いことに、私の食事態度はどんどん悪くなっていっている。

そんなんで、なんとか食べ終えた私達は講義の部屋に向かった。

相変わらず数名着席しているが、今回もサクッとする気満々で。

なんとか講義を始めた。

講義といっても、チームを分けて、同じことを言っているだけなのですぐに終わる。

けど…飽きてもらってはここに来た意味はないと思うので、それなりのことは考えて飽きさせない講義を心がけた。

講義は無事終わった。

一旦部屋に帰ることにした。

「徹の予定は?」と聞くと、「少し出てきます。ホテルの外に…」と返ってきた。

なるほどね。外で会う約束か。

女か?いや、違うな…

「ビジネス?」と私が聞けば、「チャンスをものにしたい」と返ってきた。

そーゆうことか。

「気を付けてね~」と私は言っといた。

私は飛鳥に電話する。

しばらくしてない気がしてたから…。

相変わらず早いことに、2コールぐらいで出てくれる。

龍と蒼介もいるらしく、横で会話を聞こうとしているらしい。

蒼介が騒いでるのが聞こえた。

『久しぶりなんだから、オーナーの声聞きたい』と言ってくれてるらしい。

寂しすぎて気がおかしくなってるとか…。

確かに、私もそうかも。

いつも考えるのはクラブのこと。

特に蒼介のことは頭から離れたことがない。

どんなに疲れてても、どんなときも、気がつけば蒼介のことを考えている気がする。

私は蒼介に替わってもらった。

蒼介は嬉しそうに話してるので、それに相づちを打つだけだけど…。

蒼介の調子も良さそうなことに、私は心から安堵した。

しばらく電話して、切った後、

私はいよいよ、あの人(翔さん)との面談を決めた。

このタイミングで彼に決めたのにはそれなりの理由がある。

改めてその理由を細かく言う必要もないと思うが。