中身は……某芸能人(夏になると必ず出てくるあの人!)の怖い話ばかりを集めたDVDだった。

これが誕生日プレゼント?

このチョイスってありなの?

ひょっとして新手のいじめでは……?


そう思ってミサコ先輩の顔を見ると、相変わらずニコニコ笑ってる。


素だ……。

きっと、素で、『これをあげれば喜ぶ』って思ってんだ、この人。



「あ、ありがとうございます~! さっそく見ますね! ケイちゃんも一緒に!」


――ガツンッ

机の下で、ケイちゃんに思いっきり足をけられた。


そんな彼女とアイコンタクトで会話する。


『ねぇねぇ。これってどう思う? わざわざ誕生日プレゼントくれるなんてさ。中身はともかく……これってどう受け取ればいい? やっぱあのキスってミサコ先輩だったのかな? ミサコ先輩ってあたしのこと好きなのかな?』


という気持ちを込めてケイちゃんを見つめていると、彼女はちゃんと理解してくれたみたい。

コクンと頷いた。

さすが親友。

あたし達は目で会話できるのだ。



ケイちゃんはミサコ先輩に声をかける。


「あの……」