「それはそれで、なかなか出来ないことだと思う。
特に職場では、つい、みんなカリカリしがちだからな。
お前のなにがあっても動じず、ぼーっとしているところは、すごいな、と前から思ってはいた」
状況が読めなくて、ぼーっとしているのとは違うからな、と言う。
「ただ……
自分と関わることのない遠い場所に居る人間だと思っていたんだが」
遥人の手が那智の頬に触れた。
でも、この人はなにもしないだろうと思っていた。
そのとき、それを見越したように、桜田が怒鳴る声がした。
「早く出てこい。
冷めるじゃないかっ」
……盗撮してるんじゃないだろうな、この部屋。
恨みがましく、閉まっているドアを見ながら那智は思った。
特に職場では、つい、みんなカリカリしがちだからな。
お前のなにがあっても動じず、ぼーっとしているところは、すごいな、と前から思ってはいた」
状況が読めなくて、ぼーっとしているのとは違うからな、と言う。
「ただ……
自分と関わることのない遠い場所に居る人間だと思っていたんだが」
遥人の手が那智の頬に触れた。
でも、この人はなにもしないだろうと思っていた。
そのとき、それを見越したように、桜田が怒鳴る声がした。
「早く出てこい。
冷めるじゃないかっ」
……盗撮してるんじゃないだろうな、この部屋。
恨みがましく、閉まっているドアを見ながら那智は思った。



